夢の続き

前回までのあらすじ

数年ぶりに地元で会うことになったタカ達。

ヨシヒコに見せておきたいものがあると言われて
見せられたものはなんと死体だった。

他の友人達と話し合った結果、
山に埋めることになる。

完全までとはいかないかもしれないが
綿密な計画を立てて今夜実行することになる。

が、ここで思わぬアクシデント。

近所のおばさんに声をかけられ
僕らがやってることを見抜かれそうになり絶体絶命。


「ねえ、なんか悪いこと企んでるでしょ。」

「おばさんこういう勘ははたらくのよ。
特に小さい頃から知ってるタカくんのことは。」

もうダメだ、なにも言葉が出て来ない。
これが本当の警察なら適当に嘘がつけるんだろうけど
このおばさんの前ではなにも出て来ない。

万事休す!!!


そのときヨシヒコが
「すいません、僕がタカに頼んだんです
悪いのは僕です。」

おいおい、おばさんに正直に話すのかよ。

「実は古い使ってない冷蔵庫があって
山に捨てにいこうとしてました。」

「不法投棄ってやつね?最近多いのよね。
ダメよ、そんなことしたら。」

「はい、ちゃんと業者に出します。」


たしかに不法投棄には間違い無い。

しかしこれからどうするんだよ。

するとおばさんが
「わかったわ、うちの資材置き場があるでしょ。
そこに廃棄物も置いてあるから
冷蔵庫ひとつなら置いといてもいいわよ。

もう廃業して10年以上そのままにしてあるけど
そのうちまとめて捨てといてあげるから。」


そう、このおばさんの旦那さんは土建業。
10数年前に脳梗塞になり仕事をやめてしまったのである。

いつか子供達が継いでくれるかもと
機械も土地もそのままにしてあると聞いたことがある。


「でもそれじゃ悪いっすよ」

ヨシヒコがそう言うと

「いいのいいの、
何年かぶりにタカくんにも会えたことだし。」


「すいません・・・」


そういうと少しだけ世間話をしておばさんは帰っていった。


「いやぁ、マジあせった。
もうダメかと思ったよ。」

「俺もこれで計画はパーになると思ったよ。」


ふたりして安堵するももう時間は無い。

再び車の中を整理して外から見えないように
段ボールごと積み込んだ。


日が長い九州の夏。

7時を過ぎ徐々に太陽も山の向こうへ帰る時間だ。


「そろそろ行こうか」

ヨシヒコの言葉にそうだなとうなずく。


「あいつらももう少しで
カラオケボックスに行く頃だよね。」

「うん、7時半くらいに入るって言ってたよね。」


実はあれから急遽、リサイクルショップに
小さい冷蔵庫を買いにいったのだ。

カムフラージュ用に用意しなければならなかったからだ。


「余計な出費だったな。」と言うヨシヒコに
「そう言う場合でもないだろ。」と言う僕。

「まあそうなんだけど・・・」


こいつ事の重大さがわかってんのかよ。

そう思いつつも峠を終えて
目的の資材置き場にたどり着いた。


「あそこらへんじゃね?」

敷地の中の一角に他の資材とはあきらかに違う
廃材らしきものが山積みになっている。


「そうだな、とりあえずあそこに冷蔵庫を置いとこう」


問題はこの死体である。

「このままここに置いちゃおうよ。
さっき10年以上ここには来てないって言ってたじゃん。」


「いや、それはまずいだろう。
穴掘って埋めた方がいいよ。」

ヨシヒコの言葉に僕が言い返す。


「でも早くしないと
カラオケだってそう長くはいられないって。」



たしかに子供の頃に落とし穴を作って以来
穴なんて掘ったことは無い。

この死体を埋めるに充分な穴を掘るのに
どれくらいの時間を要するのかは全く見当がつかない。


「とにかくいそいであいつらと入れ替わらなきゃ。」


ヨシヒコにせかされるまま車に乗り込み
市街地のカラオケボックスへ向かう。

車の中で「任務完了」のメールを送り
近くのコインパーキングで待ち合わせ。


すぐにふたりが来た。

僕の代わりはケンイチだ。

身長が同じくらいというだけで太さが違うけど。


シャツを交換し、
帽子と眼鏡をもらいカラオケボックスへ。

うつむき加減で入り聞いてた番号の部屋に入った。


「どうだった?うまくいった?」

オサムの問いかけに
「たぶん大丈夫。」とこたえるヨシヒコ。

「まぁあとは野となれ山となれだね。」
と他人事のようなタケヤ。


「やっぱさぁ、もう一回行って
きちんと埋めて来た方が良いよ。」
と僕が言うと

「うん、わかってる。
後は俺ひとりでやるから大丈夫。」

と、そのとき部屋のドアが開き
「お飲物お持ちしました〜」の声。

誰か頼んでたのか?と振り返ると
そこにはさっき捨てにいったはずの、
ヨシヒコに殴られて死んだはずの先輩の姿が。


え?もう化けて出て来た?

固まってる僕を見て一同大爆笑。


「いやぁ、俺はタカの兄ちゃん怖いから
やめといた方が良いって言ったんだよ。」


死体がなんか言ってるぞ?

まだわけが分からない僕に

「ドッキリ大成功〜」とケンイチ。


え?え?


するとヨシヒコが
「実は先輩は3Dプリンターの営業やってんの
で、今度うちでそれを置いて新しい事業展開を考えてたんだ。
今回みんなが集まるから
みんなのフィギアでも作ろうってケンイチに言ったら
それならタカを騙そうってことになってね。」


「じゃ、じゃぁあれは3Dプリンターで作ったの?」

「そうそう、でもそれだけじゃバレるから
特殊メークみたいにして殴られた風にしたんだよ。」

緊張の糸が切れたのか一気に体から力が抜ける。

てかみんなグルかよ!


思い返せば死体を見た時も意外とみんな冷静だった。
誰か一人くらい吐いてもおかしくない状況なのに。

「まさかと思うけどおばさんも知ってたの?」

「あれは想定外。俺もヤバいと思ったよ。」


中学の頃と変わらない笑顔で話すヨシヒコ。

もう怒るとかそういう気も起こらない。


横から「お兄ちゃんには言わないでね。」
と死んだはずの先輩が言う。

「てか俺が殴る、今殴る、ここで殺す!」

そういう僕に両手で顔を防ぎ
「ごめんごめん」と先輩。


何年分かの緊張と疲労感を感じながら
「確実に5歳は老けたね」という僕に

「そうだね、75歳に見えるよ」とタケヤ。

「要介護やね」とサトル。

「若いお姉ちゃんに英気を養ってもらう?」とケン。

「いいねぇ」とオサム。


もうどうでもいい、なんとでも言ってくれ。
気が抜けて言い返す気力も無いよ。


その後、居酒屋に場所を移して
数年ぶりの再会に盛り上がりました。



2014年46歳の夏。

その後何軒かはしごして
解散する頃は東の空から今日というステージの
緞帳が上がり始める頃だった。


<end>





 


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投稿日: 日曜日, 8月 10th, 2014@ 6:11 PM
カテゴリー: ブログ.




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